あのバスの意図とは。これはハッピーエンドかバッドエンドか。
そのどちらかふたつで言い切ってしまうのは今作においてはナンセンスな気がした。深々と考え込むエンドロール明け、誰かと語りたくて堪らなくなる。
何処にも馴染めず、自分のこともよく解らず、向き合う気にもなれず、特に深い意味のない嫌悪感だけがやみくもに舵を取るイーニドにとっては、どの選択肢も窮屈で、"そんなもんだ、黙って飲み込め"と溶け込んでしまった社会人は口を揃えていう。
そんな成り立ちに対して、"いやちょっとまってよ、どうしちゃったのみんな???????みんな同じこと思ってたでしょ?????"と叫ぶ古くから知らぬうちに自分の心の奥底に住んでいた彼女とやっと出逢うことができました。
どーーーーしたらいいんだこの感情。とってもとっても大好きで、全てを斜に構える彼女に付き纏う見栄で覆い隠された劣等感と孤独。みんな望んでないのに知らない内に変わっていってしまう、いつの間にか置いてきぼりになっている自分、その虚しさや苦しさ。抱き締めたくてたまらない。
配信にもなかなか来なかった今作、音楽もファッションも出てくるキャラクターたちも全部好み。そして、イニード同じように浮世に馴染めず、自分の世界に閉じ籠っていたい人の為に変わらずそこにあってくれる居場所なんだなと。納得の評価。念願で最高でした。タイミングもドンピシャです。もっかいみちゃおうと思う。今作に恋をしているかもしれない。