湯っ子

ゴーストワールドの湯っ子のレビュー・感想・評価

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
4.0
ブシェミ演じるシーモアが不憫じゃった…若い女の子にあれだけアプローチされても、ギリギリまでは理性でおさえてたのに…
だけど、イーニドの気持ちもわかる。自分なんかを相手にしない大人の男だったから好きになったわけで、それがこっち向かれると急につまんない奴に見えてきちゃうのよね。
最初はおなじみの変人ブシェミ→ん?なんかかっこいいかも→やっぱりまた変でかわいそうな奴に、となるのがブシェミ的におさまりは良いような気もする(ブシェミ的にって何よ)。

ブシェミの他にも変な大人がたくさん出てきて、そんな大人たちに対して小馬鹿にした態度の女子ふたりにはかつての自分を見るようでもあったが、今の私は少女たちにあんな目で見られるオバサンになっちまったんだろうなと苦笑い。予告を観た時から気になってたけど、上半身裸のおじさん、レッチリのPVに出てる人じゃん!俳優さんだったのか。リアル変な人だと思ってました。

イーニドはどこまでも自分を貫く女の子なんだな。あのバスがどこへ向かうのか、私たちはあれやこれやと想像を膨らますことができる。
バスを待ち続けていたあのおじいさんと同じく、イーニドもずっと待っていたのかも。何を待っているのかはわからない、けど何かを待ってるという気持ちは、私にもおぼえがある。
おじいさんもイーニドも、あれきりあの街へは帰ってこないのかもしれないし、普通の顔して帰ってくるのかもしれない。でもバスに乗る前と後では、まったく違う人になっているんじゃないかと思う。
湯っ子

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