サマータイムブルース

ゴーストワールドのサマータイムブルースのレビュー・感想・評価

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
3.5
オープニングが最高!!
テレビに映った50s風ダンスを真似て、体を痙攣させて狂ったように踊り狂う女の子
彼女の名前はイーニド(ソーラ・バーチさん)、今日が高校の卒業式だ

イーニドは周りの女の子とはどこか違う、厭世的で、物事を斜に構えて見て、冷めていて、目標もなく、危なっかしく、まるで厨二病を拗らせたまま高校生になったような女の子
卒業後、進学も就職もすることなく、親友のレベッカ(スカーレット・ヨハンソンさん)とつるんで街を徘徊します

退屈紛れに、新聞の出会い系広告に連絡し、相手の男をダイナーに呼び出して観察します
現れたのはシーモア(スティーヴ・ブシェミさん)というどこか冴えない中年男性
男は、相手が現れないのに落胆し、ミルクセーキを飲み干して去って行きます
面白がって後をつけるイーニドとレベッカ

しかし、次第にイーニドはシーモアの中に自分と共通の疎外感を見い出し、惹かれて行きます
その分レベッカとの仲は疎遠になります

なるほど、思春期独特のこれじゃない感が表れていて、同世代の人達から支持を集めるだろうな、というのは理解できます

自分はどうしてもイーニドのパパ目線で見てしまいます
あのお父さん、娘に気に入られようとあれこれするの可愛いかったな
娘さんを愛しているのが伝わってきました

ソーラ・バーチさんは役作りで増量までして、分身のようなイーニドの役を熱演していました
ただし、彼女の行動には少しイラッとしましたけど(笑)
スカヨハは撮影時15歳と聞いてびっくり
15歳にしてすでに今のスカヨハが出来上がっていたな、と感じました

個人的にスティーヴ・ブシェミさんが好き
今回は若い女の子に振り回される、恋愛と縁のないオタク役だったけど、いい味出してたと思います
ちょっと同情しちゃいました

シーモアが、ブルースやカントリーのレコードコレクターで、映画で流れていた音楽も素敵
終わり方がファンタジーぽいのも好みです

最後に、本編が終わり、エンドロール始まると何人かのお客さん立ち上がって退場を始めていたけど、映画は最後まで見ようね
エンドロール後の面白映像爆笑しました