テルヒサ

ゴーストワールドのテルヒサのレビュー・感想・評価

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
4.6
高校を卒業して社会に馴染めない女の子2人組、それぞれの葛藤と別れ。
主人公にハマりきらなかったため、共感できず、ラストにも完全には納得できなかった。ただあの年頃特有の気だるさや社会への抵抗感、そこから生まれる他人への斜めな視線は共感できるものがあった。そこは面白かったし、かわいくも見えたが、レコード好きの男と紆余曲折の末に一夜を共にした場面からあーそれはないわーと距離ができてしまった。男はまだマシできちんと自分の選択に従っていこうとしていたが、主人公はとにかくここではないどこかへ飛んでいきたい、全部チャラにして別の場所で生活を始めたいという、現実逃避感があるように見えて、しかもそれを他人も巻き込んでしっちゃかめっちゃかにした後で実現したから、なんか無責任すぎる感じに見えた。観終わって、あの親友がかわいそう、という気持ちが勝ってしまった。
あのラストを迎えるには、もう少し他キャラクターにピークをもたせるか、何かを残して去る形の方が納得できる。
ただ公開当時の空気感、ダウナーな雰囲気は作品として形になっていた。そこは良いねとは思えた。
テルヒサ

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