KeiRalph

ゴーストワールドのKeiRalphのレビュー・感想・評価

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
4.1
2023年の映画締めはこれ!途中2度の入院に見舞われるも、今年も沢山の映画に出会えた事に感謝します。来年は来年の風が吹くと割り切って、無理なく映画館に通いたいです。

公開から22年のリバイバル上映。この頃私は今は亡き関西球団の野球観戦が生活の一部のような日々だったので、全く未見予備知識もなし。流石にファッションや小道具に古臭さを感じますが、高校卒業後のモラトリアムな時期は、今の時代も変わらず、今の世代の同世代の人が見ても共感できる部分は多いでしょうね。

レベッカのスカヨハはともかく、
イーニド役のソーラ・バーチって、私の知識不足ですが、あんまり他作でみる事なく、とても新鮮でした。皮肉が服着てるような性格は孤高に見えて実の所は本音を隠す虚飾でしかなく、高校という守られたカテゴリーでは活かせる性格が、社会に向き合わざるを得ない局面で思い悩む…

対照的にレベッカは社会に合わさざるを得ない事を悟り、くだらない客を相手にコーヒーを売る事を受け入れる分、イーニドの今でいうなら「推し活動」に疎ましさを感じ、徐々に隙間が発生していく…ポスタービジュアルだけ見ていれば、2人のバディものかと思いきや、そうならない展開は意表をつかれました。

ナードの代表選手かのようなシーモアに対し、もっと世間に認められるべき、と熱を上げるイーニド。私もその気持ちわかる。モノノフなので。ただ、推しが愛であったと気づいた後に、そのまま安易に丸く収まらないのも、この映画が長く評価される部分なんだろうな、とも思いました。

停まるはずのないバス停に現れたバスに乗り込んイーニド、辿り着く先に理想郷は見つかったかな…
KeiRalph

KeiRalph