百合ちゃん

ゴーストワールドの百合ちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

刺さりすぎて痛かった、2024年1本目!有名だし気になってたけど観れてなかった。再上映だなんて感謝🥲マイベストムービー更新です。感じたことを残しておきたくて記録するけど、いつも通り暗い自己満です。

北関東の田舎からひとりで上京して、上辺の友達しかいないように感じられた大学生時代。誰も「本当のわたし」を分かってくれないって思ってた(笑)自分がコミュ障なだけなのに、飲み会でどんちゃん騒ぎをして男女のあれこれを楽しんでいる周りを嘲笑して、毎日映画や本を貪っていた(暗黒)。一緒にいた友達はなんだかんだ可愛いから、男たちはわたしを素通りして会話をする。まさにレベッカといるイーニドの気持ち。男たちはそうやっていつも女を性的に品定めしていて最低なのに、はじめては経験してみたいし彼氏は欲しかった。ADHDだからバイトも上手くいかなくて、決して手加減してくれない社会に、気にしてませんけど?のフリして強がってたけど、ひとりぼっちの1Kアパートではイーニドみたいに震えて泣いてた。少ないバイト代が減っていくのがとても怖かったけど、長女の性なのか実家に頼りたくなかったし(仕送りは十分にもらっていた)、借金とか売春とか社会の闇がとても身近にあるのが怖かった。ひとり、社会に放り出されたときの心細さ。社会の役に立たないと認められないこわさ。そんな社会なんて願い下げなのに、その容赦なさに怯える。イーニドがかつてのわたしすぎて痛い!笑

ぜーーーんぶ、大丈夫なのにね。勇気を出して自分の弱みを見せたらそれを面白がってくれる友達ができるし、飲み会の振る舞いはすこしずつ慣れてくるものだし、わたしの魅力をわかってくれる誠実な男の人は少ないけどちゃんと存在するし、自分なりのADHD対策の工夫は失敗しないと身につかないものだし、お金が心配で苦しかったら親に頼ってもオッケーなもんよ。社会は容赦ないけど、プライドを捨てて自分の弱みを見せれば意外となんとかなる。ぜんぶ自分ひとりで抱え込まずに。この世の中、小さな幸せを噛み締められる感性があれば、マーーージでなんとかなる。それに、あの頃があるから本や映画にのめり込めたし、確実に自分の血肉になってる。文化への感謝の気持ちもこんなに大きい。暗黒時代からこうやって学んで少しでも進めている自分はすごいよ。誰にも認められなくても、すごいもんはすごいよ。まだまだ人間的に超未熟だけど、周りの人はみんなすごいけど、社内政治に怯えてるけど、わたしがんばってみちゃうもん。

あの頃の自分を一蹴できるくらい、わたしもすっかり大人になっちゃったな。でも、暗くて捻くれてとんがっていた感受性強めのわたしもいたこと、忘れたくないな。生きづらさにもがきながらも、誰でもない「自分」を痛感できたあの感覚のことも。

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ひとり、社会に放り出されたときの心細さ。周りを嘲笑し社会に必死に抵抗しても、「大人」になった彼女たちに社会は決して手加減しない。社会に馴染めないから、あなたは例外よって認められるくらい特別になりたいけど、何者かになれるほどのものを自分はまだ持っていないし見つけられない。仕方なく「大人」になるしかなかった私たちに刺さりまくる映画でした。(パンフレットより)
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感想まとまらないけど、あのときの自分が救われたような気がする。この映画を作って上映してくれてありがとうという気持ち😭