anneleia16

ゴーストワールドのanneleia16のネタバレレビュー・内容・結末

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

観たかったものを観れた時の達成感だけでもう、今日はよくやったぞ!って思える

安直に女子高生の連帯ものかと思ってたけど、ストーリーが進むにつれて、イーニドがしっかり孤独で良い
レベッカとイーニドが横並びに歩いていくシーンも、2人でこそこそ話すシーンも校舎に向かってすぐさま中指を立てるのも、当たり前に大好きで、ジャックリヴェットみたいだよー!そういえば私はここで「セリーヌとジュリーは舟でゆく」も観たよね、ちゃんと映画を見た経験が線としてつながっていってて偉いぞ!って気持ちにもなった なのでもっと意味のわからないことを2人でたくさんやってくれ!と心の中で応援しっぱなし

ただ一方で、他者がいることで社会や人とのつながりを感じられるぞ、みたいな思考の押し付けを、連帯ものの映像はたまに強制してくる気がしていて ましてや女子高生2人だと「ブックスマート」とか「プロム」みたいな、キラキラでまとめ上げようとしちゃう映画があったりするから身構えたりするんだけど ああいうのって、なんだか学生時代の「神話」って感じがして好きではない

レベッカと喧嘩して、お父さんはヨリを戻しちゃうし、片想いしてる人も自分から離れていって、最後の砦だったおじいさんも目的を達成してしまって、とことん孤独にしていくストーリーに仕立て上げてる あまりにも厳しすぎないか?!!?!?と思ったけど、だから「ゴーストワールド」なんだなと思って 一人暮らししたら、この映画のポスターを壁に貼りたい 孤独を忘れないように

パンクロックとかブルースの(良い意味で)うるさくガチャガチャした音に対して、イーニドが歩く時には短調のしっとりした音楽が流れる そしてイーニドの足取りと同じテンポで、二組の2楽章みたいな、葬式ぐらいの雰囲気
シーモアの「ガラクタ部屋」、レコードの棚だけじゃなくて壁にかかってる琵琶みたいなギター見てめっちゃ声出そうになった 先生って結局引っ越ししたんかな

ここでもまた横より縦移動の方が重用されてる
ラストに近づいて、道路を挟んで、こないはずのバスを待ち侘びるおじいさんを見つめるイーニドが「プロミシングヤングウーマン」のgazed gazeみたいな感じでさ でもなんか、多分観客を見つめていたのではなく、イーニド自身を見つめた上で、ラストシーンの選択をしたんかなって思ったよ
イーニドを見ていたら、「恋人はアンバー」の、自分の主義主張を素直に貫いて外の世界に飛び出したアンバーのことを思い出した アンバーは前向きな気持ちで電車に飛び乗ったけど、イーニドは、「オタク=マイノリティである自分」と、「社会に順応できない自分」の距離感を目の当たりにして、ネガティブなきっかけで「誰にも連絡せず、独りになること」を選択しちゃったのかしら

こんなにも映画を見るということが、時間的にも気力的にもハードルの高いものになるとは思ってなかった2023年度です 先生が「新作を見に行く気になれない」と言っていたことも、ちょっと分かった気になっています
これ見るために今日までいきててよかったー、って思うタイプの映画 明日がんばろう!とはならない でも、社会人1年頑張れてよかったね、とは思えた

スカーレットヨハンソン超可愛いです 髪切りたくなっちゃう
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