「ヒート」以来の二度目の競演。
しかもパチーノとデニーロがコンビを組むのだから、必然的に二人同時にスクリーンに登場する場面が満載。
ところが終わりが尻すぼみというか、確実なのは「ヒート」と違い心に残らないタイプであることは間違いない。
この刑事コンビが立ち向かうのは、次々と悪人殺しを行う殺人犯。
そしてそこには韻文が必ず置かれている。恨みからか犯人は刑事ではないかと狙いを定めるが、浮上してきたのはデニーロ演じるターク刑事。
よくある裏切り者が誰かという一点で最後まで持っていく。
こういうものを何作も見ていたら犯人はすぐに想像がつくし、意外と早い段階で分かるだろう。
問題なのは犯人当ても含めてこのコンビが機能していない。
やはりこの二人は対峙してこその本領発揮のはずだ。
演技派同士の熱いやり取りが、この映画には微塵も感じない。
それと寂しくなるのは二人とも老けたなあと思うこと。
パチーノはくっきりシワが目に付き、デニーロは大分腹が出てしまった。
年齢のためか動きの少ないアクションにも終始。
題材が噛み合えばもっと面白いものが作れるはずだ。
180度変えて人間ドラマとか、そういう方面での競演が見たい。