Hagieen

VERSUS ヴァーサスのHagieenのレビュー・感想・評価

VERSUS ヴァーサス(2000年製作の映画)
3.5
北村龍平監督、坂口拓主演。

脱走した囚人ふたりはヤクザと落ち合い女の処遇を巡って対立。
ヤクザの一人が死ぬもゾンビとなり襲い掛かる。
森の中での追撃戦、銃や刀剣、格闘術を駆使したバトルが繰り広げられる。

公開当時劇場に観に行った。
当時の邦画はこういったアクション映画が壊滅的状況で、邦画での格闘アクション満載な本作の予告を観て嬉しく思った。
なんか予告編入ったCD付チケットを買った記憶。

彗星のごとく現れた北村監督は本作がメジャー二作目。
若くして海外で映画修行をしてきた経験を活かし、インディペンデントながらかなりの熱量をもった作品に仕上げている。
出演者はメジャーな人はいないが、坂口拓は本作でデビューし、現代忍者、ウェイバーとして今では邦画のアクションをリードしている。
また後に仮面ライダー響鬼で人気が出る松田賢二も出演、熱の入った気持ち悪い演技をしている。

北村監督のアクションの作り方(アクション監督は下村勇二氏)は好きだが、演出はカッコつけすぎていて鼻につく。ギャグも寒い。
監督のやりたいことがハッキリしていて熱量は高いが、超アツい熱意が空回りしている感もある。そこは出演陣も同じで、坂口拓のカッコつけのやりすぎ感、松田賢二のキレたキャラクター造形などアツすぎて作り手のエゴに見えてしまう。
松田賢二は本作観た時からカッコいい役者だと思っていたが、「レオン」のゲイリー・オールドマンに触発されたのか役者魂に火が付きすぎだ。
後の特撮等では引き算の演技となり、松田賢二本来の良さが出ている。

しかし邦画アクション冬の時代にこういった作品を作った意義は大きい。
本作のアクション監督の下村勇二はじめ、香港で経験を積んだ谷垣健治が今の邦画アクションを支えている状況は感慨深い。
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