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三代目襲名のダーのレビュー・感想・評価

三代目襲名(1974年製作の映画)
3.5
抑揚なく淡々と進んでいく感じや、前作よりも格闘シーンが多いにも関わらず、人物それぞれの背景描写や演出が短絡的で、前作の方が映画として格が上だなぁと感じてしまった。。

丹波哲郎、菅原文太がいない本作はそれだけで薄味に感じるが、やはり高倉健の存在感だけでみる価値はある。

田中邦衛は出てくるだけで強い存在感があるので前作と違う役どころは頭の整理がややこしく、前の配役に留めておいて欲しかったナァ。そして、ちょい役の川谷拓三の怪演が堪らなく好みで楽しめました。

戦後神戸史としての貧困、差別、蛮行、非道さ、自警団としての役割などについては、自国民/三国人の括りだけで片付くほど問題はシンプルではないと思うが、そこら辺をあっさりと敵味方に分け、サラリとヒロイズムで片づけているところが、史実的描写があるにも関わらず、作品としての深みのなさを助長しているように感じました。

伝説の組長さんの生き様を眺めながら、はてさて任侠道とはなんなのだ?と、皆が無自覚に憧れる騎士道精神なるものの奥深さを勉強したくなりました。
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