このレビューはネタバレを含みます
とにかく大味でご都合主義な作品。
高嶋政宏演じる仁王山は普通に考えたらサイコパスで、小金井市刺傷事件の犯人を彷彿させる頭のイカれたストーカー野郎なんだけど、なんでか最終的に結ばれちゃうから人間、否、映画は分からない。
南野陽子演じる牡丹も大事な時には決まって「儚げな表情」で煙に巻く。
吉永小百合戦法である。
子役にはあえて子役らしい演技をさせているのだと思うが、大袈裟と言うか分かりやす過ぎて恥ずかしくなってくる。
選挙戦の体を保ちながらも結局なんやかんやと理由をつけて牡丹を巡る争いになっているのが何だかとてつもなくスケールが小さい話に感じられてしまって、何故か情けない思いに駆られてしまった。
みみっちい男ばっかりかよ、と。
初の普通選挙はそんなもんだったのだろうか?
結局この映画、一番光っていたのは萩原流行ではないか。
ちなみに西田敏行、神山繁、白竜の3者共演には思わず「後のアウトレイジビヨンドだ!」と興奮してしまった。