KnightsofOdessa

キング・コングのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

キング・コング(1933年製作の映画)
3.5
No.80[美女と巨獣、アンドロメダとケトス、アンとコング] 70点

幼い頃ゴリラに魅了されたクーパーが創造したキング・コングという巨獣は映画史に最も影響を与えたキャラの一つと呼べるのかもしれない。本作品の世界的ヒットのおかげで経営不振に陥っていたRKOは一気に業績を回復したというから人気は相当なものだったのだろう。しかし、昨今は巨獣というすでに荒唐無稽な設定に対してシリアスな物語を融合しようとして分離するつまらない(のに金のかかる)映画を量産する体制が出来上がってしまったので、今後はコングも安売りされていくだろうと思うと悲しくもある。「キング・コング:髑髏島の巨神」とかツッコミどころしかないのに真面目に語ろうとしている感じが非常に滑稽でたいへん笑わせて頂いたのは記憶に新しい。

半分犯罪のような手口で女優を捕まえて"髑髏島"に連れてきた映画監督にはドン引きだが、物語的なコング登場までの引っ張り方もやり過ぎ感に溢れているものの悪くはない。勝手なイメージとしてコングしか出てこないと思っていたのだが、色々巨獣が出てきて楽しませて頂いた。特に首長竜のモンタージュはお気に入り。現在のハリウッド映画なら有名なラストはエンパイアステートビルに戦闘機を送るより核ミサイル撃ち込んで終わりそうだが、複葉機で機銃を撃ち込むとこに時代を感じる。

ちなみに、同じセットを流用して出演者も被りつつ同時期に並行して作られたのが「猟奇島」とのこと。"美女が野獣を殺したのさ"とか上手いこと言って〆ようとしてたけど、売上で損害は賠償しような。
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