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緋牡丹博徒 鉄火場列伝のもとまちのレビュー・感想・評価

緋牡丹博徒 鉄火場列伝(1969年製作の映画)
3.7
笠原和夫脚本とあって重厚なタッチ。渡世に生きる者たちの立場をそれぞれ丁寧に掘り下げ、仁義の世界のどうしようも無さを痛烈に描く。一作目からカムバックした山下耕作の演出も、スローではあるがシーンごとのカットの積み重ねが端整で悪くない。特に博奕シーンの長回しは、いつイカサマが行われるか分からない独特の臨場感があってかなり良かった。ギャグ要員でありながら心強い味方にもなる若山富三郎が素敵。兄弟分の盃を交わした相手だろうがお竜さんの敵とあらば瞬時に斬る。日本一とまで謳われたハイスピードな殺陣も一応見せてくれるが、一瞬でカットされちゃうのが残念。砂丘を望遠レンズで捉えたラストカットがヤバい。渡世人の孤独。
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