YasujiOshiba

仮面の人のYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

仮面の人(1937年製作の映画)
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日本版DVD(PD CLASSIC)。23-58。画質はぼちぼち。「昔の木は大きかったんですよ」と話すSさんから拝借。思いのほか面白しろかった。冒頭から覆面プロレスのシーンが登場するし、林業の巨木の伐採シーンなんて大迫力。また木材を運ぶ列車事故がブレーキを壊されて山道をうねりながらスピードを上げるシーンなんて、まさに映画。スペクタクル。

原題は PARK AVENUE LOGGER 。直訳すれば「パーク・アヴェニューの木こり」。「木こり」と言っても山から大規模に木を切り出す林業の話。NYはマンハッタンの有名なパーク・アヴェニューの御曹司(George O'Brien)が「きこり」をやるからそういうタイトル。

英国では「Millionaire Playboy(大金持ちのプレイボーイ)」と呼ばれているのもわかる。なにせこの御曹司、学者はだでペンギン学なんてのに精通しているし、コンサートだといいながら覆面レスラーとしてプロレスのリングに上がるスーパーボーイ。けれども能ある鷹が爪を隠しているものだから、父親からは軟弱ものとみなされて、一家が所有する伐採場に派遣される。そこで出会った美女ペギー(Beatrice Roberts)を口説くその口説き方が実にプレイボーイ。しかも金持ちなのに嫌味がないし、プロレスラーだからめちゃくちゃ強い。力仕事もお手のもの。ようするになんでもありのアメリカンドリーム。

アメリカでは別名「Tall timber 」とも呼ばれている。「背の高い木材」ってことだけど、山深い奥地のことをそう呼ぶみたい。だから「Take to the tall timber」なんて表現になると、たぶん山奥にゆくことから「突然に姿を隠す」という意味になる。映画のなかでは、大きな「木」(timber)が倒れるとき「Timber! (倒れるぞ)」と叫んでいる。そういう意味で「Tall tibmer」でもあるのだろう。

映画は1937年の公開。IMDBを見たけれど、日本には公開の記録がみあたらない。DVDスルーのときに『仮面の人』というタイトルがついたのだろうか。それにしても30年代の映画は面白い。高画質で見れたらとは思うけど、SD画質でも十分楽しめた。

字幕はないけど YT に全編がアップされている。ご関心のある方はどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=9_4BuWz5DJk
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