天之忍穂耳

翔んだカップル オリジナル版の天之忍穂耳のレビュー・感想・評価

4.2
相米慎二はトリッキーで過剰な演出に目が行きがちだけど、ちゃんと感情の機微を描いてるんだよな。
恋愛感情というものがまだわからない微妙な年頃の男女の葛藤がすごくよかった。

それと、セリフ回しがいちいちキャッチー。

様々な映画監督に影響を与えた映画だってことがわかった。
・トイレで挨拶の練習(岩井俊二が『打ち上げ花火』でオマージュ)
・自転車でダンボールに突っ込む(黒沢清の演出に影響を与える)
・バスが通るスクランブル交差点の真ん中で正座。(平野勝之が『水戸拷悶』でオマージュ)
・クジラの飛行船(行定勲が『きょうのできごと』でオマージュ)
・ローラースケートしながらの会話(及川中が『オクトパスアーミー渋谷で会いたい』でオマージュ)


キスシーンでカーテンが開いたり、川辺でカメラが逆さまになったり、絶妙な位置で石原真理子が着替えたり。