andes

博奕打ち 総長賭博のandesのレビュー・感想・評価

博奕打ち 総長賭博(1968年製作の映画)
3.8
観る前から、ある程度面白さが担保されている映画。キャストと監督で退屈しないのことが確約されている。逆に言えば、プログラム・ピクチャーで鶴田浩二も若山富三郎も「いつもの感じ」ではあるが、この雰囲気を否定はできない。
アヴァンからタイトルバックが見事。不穏な跡継ぎ会議から、波乱を予感させる雰囲気がヒシヒシ伝わり、火打ち石からタイトルがドーン。「あぁ、この映画は悲しい結末を迎えるんだ」と視聴者に提示される。
組織と個人。それぞれの立場で、是が非に、膳が悪に振れる。その中で、自らの仁義を切る者の物語。男も女も関係なく、信念を貫く。
最後、鶴田浩二は死ではなく逮捕されることが示唆される。彼は渡世人(ヤクザ)ではなく、ただの人殺しなのだ。それが、自分と他人の人生への責任の取り方なのである。泣ける。
andes

andes