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走れ走れ!救急車!のcatmanのレビュー・感想・評価

走れ走れ!救急車!(1976年製作の映画)
4.0
ラクエル・マラソン継続中。

1976年公開。オンボロの民間救急車サービス会社を舞台に、ポンコツ社員達が奮闘する群像コメディ。プロットが最高に好みなので底抜けお笑い路線を期待して全裸待機していると… なんだか今ひとつ振り切らない。ピーター・イェーツは喜劇には関しては勘所を分かっていないのか突如として挿入される悲劇があまりにもシリアスでヘヴィなので、俺は何を見せられているんだ?って気持ちになる。救急車が街中を疾走するシーンはについてはイェーツの持ち味が少しだけ出ている様な気はする。
めちゃめちゃ笑えるのは巨漢のおばちゃんを乗せたストレッチャーが階段を滑り落ちてそのまま路上へ飛び出してストリートを暴走する序盤のシーン。結局これを超える笑いは最後まで現れないんだけど、ここは本当にクッソ面白くて殿堂入り。

さてラクエルは初め事務員の役なので見どころは多くないものの、救急ドライバーに転身してからの後半は活躍の場が一気に増加。全般的にセクシーを売りにする衣装やシーンは皆無ながら、例えばデスクワーク中の比較的な地味なセーター姿なんかは却って彼女のダイナマイトボディを際立たせていてコーディネーターにGJと言いたい。ジャケ写で見られる救急ドライバー用のジャンプスーツ姿もカッコイイ。芝居の面では前述した救急車内で起こったシリアス過ぎる悲劇の際に見せる悲しみに暮れる表情が印象的。

他のキャストではビル・コスビーがやっぱり面白くて味わい深く良い味を出してる。若くてツルツルのハーヴェイ・カイテルはキャラがマトモ過ぎて面白みを欠イテル。しみったれ社長役のアレン・ガーフィールドは安定感が抜群、いわゆる名バイプレイヤー的な魅力があって良き。

それと特筆したいのは音楽。サントラにはハーブ・アルパートを筆頭にピーター・フランプトン、ビリー・プレストン、クルセイダーズ、ブラザーズジョンソンらA&Mレコード所属アーティストが参加。ミシェル・フィリップスが歌うロジャー・ニコルズの書いた挿入歌 No Love Today はメロウな名曲。ジーン・ペイジのアレンジが大好き。

最近レビューが長過ぎるな…
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