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すべて彼女のために/ラスト3デイズのodyssのレビュー・感想・評価

2.0
【テレビ鑑賞で十分】

テレビ鑑賞で十分という映画だと思います。

この映画の見どころ、どうもよく分からない。
無実の罪で妻が逮捕される、という事件の深刻さではないですね。彼女が無実だということは映像で簡単に説明されてしまうし、また逆に真犯人がなぜ殺人を犯したかの説明も全然ない。
妻が逮捕されたから生活苦になるとか、子育てに困るとかするわけでもない。

とすると、妻を脱獄させるためにはどうすればいいか、というところに焦点があるはずなんですが、その辺にあっと言わせるような工夫があるわけでもない。

妻が精神的に追いつめられていく過程は多少描かれていますが、私が思うに、ここはもっと入念に追うべきだったんじゃないかと。でないと夫が決意する動機としては弱い。だって、そこまでするような夫なら、裁判の時点で真犯人を追うためにもっと色々やっているはずじゃないの、と言いたくなるくらい、裁判の描写は簡単なんですから。そういうところが、この映画にリアリティが欠けている理由の一つになっている。

最後に逃亡するところも、きわめてご都合主義的です。ネタバレになるから具体的なことは省きますが、警察や空港の係員がこんなに杜撰なら、9.11がもう20回くらいは起こっているんじゃないかと思いました。

謎解きでもなく、脱獄の工夫でもなく、逃亡のスリルでもなく、追いつめられた人間の情念でもない。とにかく、見せどころのない映画なのです。うーん・・・
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