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ジャックのmakoのレビュー・感想・評価

ジャック(1996年製作の映画)
4.2
好きで何度も観てきた作品だけど、ロビンウィリアムスが亡くなってからはこの作品も含めて彼の作品に触れる事が出来なかった。
久しぶりにこの作品で見た彼の澄んだ目は、無垢な子供そのものだし、人生を達観した高僧のようでもあって、改めて限りの無いその瞳の持つ魅力を堪能できた。

この作品がコッポラの作品だというのは今回初めて知った。20代で亡くなった息子ジャンカルロの孫ジアに捧げた作品とのこと。

作品の中で普通の人より4倍早く成長し人生の苦楽を周囲の人達と乗り越え、楽しみながら生き切るジャックという主人公の姿やさり気ない仕草に息子さんへの愛や畏敬を感じた。
と同時に、ジャックのスピーチにある「どうせ人生は儚い。悩んだ時は夜空を見上げてほしい。流れ星が輝いたら僕を思い出してくれ。君の人生を輝かせてくれ。僕のように。やったよ、ママ。僕は大人になれた。」という言葉にコッポラの思いが重なって見え、ジアへの気遣いや優しさ、息子の人生に対する愛の詰まった言葉に切なさと温かさを感じ、涙が溢れた。

それまでの作品とは全く異なる作風に、本意では無いかもしれないけど一人の親でありお爺ちゃんである人間コッポラの家族への愛情を垣間見た気がした。
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