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ポルターガイストのSariのレビュー・感想・評価

ポルターガイスト(1982年製作の映画)
4.5
『ポルターガイスト』は、原作・脚本スティーブン・スピルバーグのオリジナル作品。

新しく造成された住宅地の一軒家に引っ越してきた家族が、ポルターガイスト現象に苦しめられるというオカルト・ホラー。
末娘のキャロル・アンを中心に怪奇現象が起こる。
物語の中心的存在である、フリーリング家の末娘キャロル・アンを演じているのは、ヘザー・オルークという、ブロンドの可愛い女の子。素人だった彼女をスピルバーグが見かけてスカウトしオーディションで合格。
彼女を始めとするシリーズ3作の出演者が、次々と亡くなり、呪われた映画としても有名。

当初スピルバーグが監督するつもりだったが、大ヒットSF映画『E.T.』の撮影スケジュールとバッティングしてしまったため、『悪魔のいけにえ』を大変気に入ったスピルバーグが、トビー・フーパーに監督を依頼。

「ポルターガイスト」の名前の由来はポルター(騒がしい)+ガイスト(霊)という意味のドイツ語。見所はバラエティに富んだ恐ろしい現象の数々。
1980年代のSFX(特撮)を駆使した映像が凄まじく、最初から最後まで、想像を上回る演出の数々に驚かされる。単に物が動くだけでなく、バラエティに富んだポルターガイスト現象を取り入れているところが、さすがスピルバーグ。映画の後半に怒涛の展開があり、最後までハラハラドキドキさせられ、家族愛も描くバランスが、どこからどう見てもスピルバーグ映画である。

悪霊の正体が、住宅地の地下に眠る霊たちというのが恐ろしい。一家が引っ越してきた新興住宅地は、もともとは墓地であった場所に作られ、しかも、開発のために墓地を移動した際に、地下の遺体はそのまま放置され、墓石だけを移動するという恐ろしいことが行われていたことが判明。

映画の終盤で、妻がプールに落ちると底から大量の骸骨が浮かび上がる衝撃のシーンがあるが、あれは本物の人骨を使っているという。その方が低コストであり、『悪魔のいけにえ』で使われた手法をスピルバーグが採用。トビー・フーパーのホラー要素と、スピルバーグの得意とするSFファンタジーが見事に融合した傑作。
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