ドナウ

勲章のドナウのネタバレレビュー・内容・結末

勲章(1954年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

今でもあの時の代案は出せない。

戦時中は勲章を身に纏った陸軍中将岡部とその子供たちは戦争が終わった今、親戚中から疎まれながら居候している。この岡部親子を軸に国と文化と市民の対比が描かれ、最後は娘ちか子は恋人と駆け落ちし、国の性格を持つ父と文化の息子は共倒れするという最期を迎える。犬を調教する岡部、落語家の息子憲治、恋人と引き裂かれそうになるちか子、地球儀を作る軍国主義の亡霊寺位、保安隊(らしい)の黒住は傘屋など肉付けが暗示的。岡部は権力に溺れ奢り徐々に狂っていき、勲章は輝きを失う。軍国に傾くと文化も廃れるという覇王別姫や活きると似た作品を先んじて作っているのに今作の名前をあまり聞かないのは何故だろう。
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