これはキツい映画だなぁ…。
まだ見ぬ父に会う為に、保護者無しの所持金無しで ギリシャからドイツへの過酷過ぎる道程に挑む 幼き姉弟のリアル母(父)を訪ねて三千里的作品。
政治的不安定なギリシャでの時代背景と共に、厳しい旅の行く末を占うかの様な全体的にどんよりした天候と、それに比例する様な美しい背景も組み込まれていて、それが道中での僅かな喜びを表現した様な印象。
作中長回しのワンショット多数。
雪の中を長々歩かせたり、大雨の中 ヒッチハイクさせたり、子役に求める監督も凄いが、それに応える子役達の演技力が、まぁ凄い事…。
抽象的な演出としての描写も多かったが、その中でも 引きずられて死にそうな馬とか、海からいきなり現れる巨大な手の石像とか、違った意味で色々怖かった…。
…国境を越え一発の銃声の後、あの霧を越えた先は現実か?はたまた幻想か…。
なかなか後引く興味深い作品でした…。