KnightsofOdessa

霧の中の風景のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

霧の中の風景(1988年製作の映画)
5.0
No.817[名作はヘリで石像を運びがち] 100点

アンゲロプロスは紀伊國屋版の箱を揃えている最中に再販されたせいで様々なやる気を失ったため、多分好きなんだけど放置していた。最近は色々な理由で放置していた映画を回収して回っているのでそろそろ精神がイカれてくる頃なんだけど、多分鑑賞作品の半分を裏垢に流してるあたり既におかしくなってるのかもしれん。

去年の9月あたりにヤンチョー・ミクロシュに洗脳されて以降、ロングショットと長回しが大好きになっちゃったんだけど、この時期にアンゲロプロスをぶつけたのは正しい判断だったように思える。誰も居ない食堂でバイオリンを弾く老人とそれを聴く少年。白飛びしたフィルムを掲げ、それに近付くカメラ。海岸でそれぞれが自分の台詞を練習している劇団の間を通る姉弟。カメラに語りかけるアコーディオン弾きに対して遠距離から中距離に走ってくる座長を見守る劇団員のショットは正にヤンチョーっぽい。粗野なトラック運転手との邂逅を経て、オレステスと再会する。姉弟とオレステスの別れのシーンは久し振りに心が震えた。

多分死んでるラストに感情がサチった。さよなら姉弟。
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