ちか

霧の中の風景のちかのレビュー・感想・評価

霧の中の風景(1988年製作の映画)
4.9
詩の映像化

死にかけの馬を前に泣きじゃくる
むかし本当に悲しいことがあった時
おじいちゃんが亡くなった時とか
悲しみの空気を感じとった時
こんな風に泣いた気がする

海の中からでてきたのは
なんだろうあれは
おおきなおおきな手だ
あれは指だ でも人差し指が欠けている、、、
ずっと昔からそこにあったのだろう
海から引き上げられた手は
空を浮かび
そして街を凱旋する
畏怖をかんじさせる手
青年は たとえ僕がここで叫ぼうとも どの天使が気付くだろうかと
バイクにうなだれる

青年は少女を抱きしめる

“最初のときはだれでもそうなんだ。最初のときはだれでもそうなんだ。心臓は破れそうになる。最初のときはだれでもそうなんだ。息が乱れ、死にそうな気がする”

カメラはふたりをぐるりと囲む
ちか

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