戦争映画と一口に言っても色んなタイプがある…
勇敢さが売りの海戦もの、陸上部隊の白兵戦、人質奪還のテーマも多い、また個人的には「潜水艦ものに外れ無し」の格言がある
中には「MASH」「トロピック・サンダー」のようなヘビーなブラックジョークの効いた怪作もある
前置きが長くなったが、ドキュメンタリータッチの「キリング・フィールド」や、ベトナム戦争を舞台にした本作には、戦争の日常と悲惨さ、また特にベトナム戦争において描かれるアメリカ兵から伝わる虚無感が本作の特徴だろう
苛烈な戦闘シーンは見ていて決して楽しく感じるものではない…特に兵士が心のどこかに「なぜ?なぜ俺たちが?」という疑問が見えると、もうそれは究極の罰ゲームに見えてしまう
戦争で死ねば英雄と称えられるかも知れないが、美しい戦争、カッコいい戦争なんて存在しない
世界に軍隊があっても、唯一の被爆国である日本人が素直にそう感じるのはある意味自然だ
専守防衛と言いつつ、軍備を不必要に強化したり、核保有を否定しない現政府は、「外交」と言う最大の交渉術を磨こうともしない
私にとって、戦争映画は史実を知り、反面教師として学ぶものである