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ハンバーガー・ヒルのGTのレビュー・感想・評価

ハンバーガー・ヒル(1987年製作の映画)
4.2
 ベトナム戦争が題材の映画。プラトーンや地獄の黙示録なんかと比べると大分マイナーな映画か。
 前半は分隊での日常を、後半は壮絶な戦いの様子を描いている。非常に手堅く纏まっているというか、万人のイメージする「戦争映画」という感じだった。軍人同士の友情、ちょっとしたいざこざ、軽口や汚い言葉遣いなんかは、まさに「アメリカの軍人」そのものだ。戦争モノで重要な戦闘シーンにも勿論気合が入っており、頭が吹っ飛んだりというグロテスクなシーンもある。泥の中を這いずり回り、山から転げ落ち、腕を吹き飛ばされ、爆弾で爆殺され…と、壮絶な戦いがたっぷりと描写される。命をかけて戦う彼らに対して、世間は冷淡だ。戦場を取材するカメラマンは疲弊する兵士に「この作戦は確実に失敗すると思われますが」と心無い質問を浴びせ、国内では反戦気分が高まり兵士に手紙を書くと戦争に賛成しているとみなされるため、ある兵士は恋人にもう手紙は書かないと言われてしまう。そして戦場で戦うのは、貧しい白人や教育の受けられなかった黒人などの身分の低い人ばかりだ。
 こうしたストーリーは、戦争映画にありがちな設定であって特段目新しさを感じない。良く言えば「王道」悪く言えば「凡庸」な映画、という感じだろうか…。だが、実際の軍人をアドバイザーに据えてるようで、リアリティに関してはおそらく信頼できる。勿論、ちゃんと面白い作品でもある。
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