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サイレンサー/沈黙部隊のtakのレビュー・感想・評価

サイレンサー/沈黙部隊(1966年製作の映画)
3.2
2作目と3作目は地上波で随分前に観て、タランティーノ映画に引用された4作目も観て、第1作だけ観たことがなかった。やっと配信でありつけた。「007」のハードな部分をバッサリ切り落として、プレイボーイスパイめいた男の願望部分だけをブーストしたような作風。いやー、これが最初だったのか。そもそも引退した(つもりの)スパイだという設定とは知らなかった。

刺激的なオープニングのダンス、「雨に唄えば」の出演でも知られるダンサー、シド・チャリシーの歌。多くの殿方の心はこの数分で掴まれてしまう。そしてマット・ヘルムの部屋の仕掛けの数々。動くベッド、そのままお風呂に滑り込み、着替えは自動…。人間をダメにしちゃいそうな(笑)、男子の妄想を具体化したシーンの数々に呆気にとられる。ほんとにヘルムは腕利きのスパイなのか?

観ているこっち側を納得させることもなく、任務へ出発。サポート役の美人スパイとイチャイチャ、プールサイドで出会ったグラマー美女とのあれやこれや。その度にディーン・マーチンの歌が流れる。エロオヤジぶり全開。映画中盤も終わろうとするが、まだヘルムが腕利きスパイとは納得できず。

ちょっとダレてきたところで、スパイ映画お約束のガジェットが登場。リバース拳銃にボタン爆弾、007と違って分かりやすい秘密兵器。これがクライマックスでは笑いを誘う小ネタにも。ヘルムが追い詰められてからの活躍はなかなか楽しい。なるほど、これなら続編作って欲しくもなるよな。エンディングでは、再び丸いベッドにあまたの美女がさぶらい給ひける姿が映されて続編のお知らせ。

なるほど、「オースティン・パワーズ」がやりたかったのはこれなのかと納得。4作品全部観て、アクション多めの4作目とこの第1作が好きかな。うむ。
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