ナンデヤネン

マグダレンの祈りのナンデヤネンのレビュー・感想・評価

マグダレンの祈り(2002年製作の映画)
4.1
これを観ているうちに「カッコーの巣の上で」と重なってしまった。差し詰め修道院長がラチェッドでバーナデッドがマクマーフィーといったところか。ストーリーの構造としてはよく似ている印象を持った。
不当な理由で強制的に修道院に送られてくる娘たち。マーガレットやローズに至っては、親類縁者や両親によって修道院に送られている。きっと送り込んだ側の人間は、敬虔なクリスチャンであると自認していることだろう。元々の経典や教義には人間を不当に扱うことは書いていないが、信者の考える信仰の解釈が時として世の中の常識と大きく乖離してしまうことがある。盲目的になるというか。それがテロリズムにも繋がったりする。女性たちへの不当な扱いや虐待を見れば、この修道院のシスターたちももはや聖職者とは言えない。こういうことはどの時代にも、どの宗教にもあるんだろうなと思う。
ピーター・ミュラン初監督にしてベネチア映画祭金獅子賞受賞という快挙。重たい内容なんだけど見易かったし、最後は救いのある終わり方で良かった。ふと「カッコーの巣の上で」のチーフを思い出した。
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