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少年ケニヤのKのレビュー・感想・評価

少年ケニヤ(1984年製作の映画)
3.1
実写からアニメーションへ移行する際の合成映像に大林監督っぽさを感じる。アニメパートが始まって驚くのは、絵の具でざっくり描いたような絵の粗さ。かと思えば線画になったり劇画タッチになったり、着色の有無と絵柄がコロコロ変わって目まぐるしい。『風の谷のナウシカ』が同年に公開されたとは思えないクオリティ。棒読み感の強い主人公。日本男児。紙を突き破るサイの演出に困惑。「空きっ腹に不味いものはない」。底なし沼。大蛇ダーナ。ボラ族。問題シーンから感じる時代性。笛ピッコロ。トカゲ族。シュタイン博士。父との再会が主題かと思いきや、戦争という背景も相まってストーリーは意外な方向へ。基本的には教育映画っぽい雰囲気。実験的な試みは分かるものの、功を奏していない気がする。監督はやはりアニメーションより実写に向いていると思う。エンディング手前の実写パートは、大林監督が手がけた日曜洋画劇場4代目オープニングを想起した。“口移しにメルヘン下さい”。
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