kazマックスグローバーレッド

レボリューション めぐり逢いのkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

3.7
1985年ゴールデンラズベリー賞にて『ランボー/怒りの脱出』と最低映画賞を競い合い、スタローンと最低主演男優賞を競い合ったアル・パチーノ酷評の大失敗作『レボリューション めぐり逢い』

85年当時の映画雑誌にこの映画のことが書いてあり、その時に初めてアル・パチーノという俳優を知った。それからずっと見たいと思っていて今回ようやく初鑑賞。そんなに酷評するほど悪くはなかったけどね。

そもそもアメリカ独立戦争を扱った映画で見たことあるのはメル・ギブソン主演『パトリオット』と、そのちょっと前のフレンチ・インディアン戦争を扱った『ラスト・オブ・モヒカン』ぐらいなので珍しいこともあるし、『レボリューション』で描かれるアル・パチーノ親子の運命がどうなるのかハラハラしながら見れて意外と面白かった。
ただ『めぐり逢い』って邦題のおかげで凄く冷めたとこもあるので今すぐにでもこの邦題を改名してほしい、マジでこの邦題付けた日本の映画会社最悪だ。


映画の内容のアメリカ独立宣言が1776年で、不朽の名作『ロッキー』が1976年にアメリカ建国200周年を記念して制作された映画だからこの年号って凄く覚えやすいんです。しかも『レボリューション』のプロデューサーが『ロッキー』を手掛けたアーウィン・ウィンクラーで、独立宣言の地がフィラデルフィア、そして『ロッキー』の舞台になった地もフィラデルフィアとアメリカ独立宣言に絡めた映画を2本も制作してることになる。


お話は、船でニューヨークに辿り着いた父親トムと息子のネッドが強引に徴兵されて独立戦争に巻き込まれ、パルチザン女性との出会いもあれば英国軍人との因縁の対決もある波乱万丈人生。革命戦士アル・パチーノvs英国陸軍曹長ドナルド・サザーランドです。パルチザン女性はナスターシャ・キンスキー。

貴族の娘が革命に賛同してパルチザンに加わるのは『ゴールデンカムイ』のソファがそうだったように「革命あるある」なのかもしれない。ナスターシャ・キンスキーが日本でシャンプーのCMに出てたのはこの頃だったかな??「ラックス、スーパーリッチ♫」


英国人からキツネ狩りの獲物役にされ何十匹もの猟犬に追われるアル・パチーノ父ちゃん。戦争には関わりたくない父親の事を「臆病者」呼ばわりする思春期のイキった息子は痛い目に合いますわ。

独立戦争で英国側につくモヒカン刈りの先住民イロコイ族とアメリカ側につくヒューロン族。歴史結果はアメリカ軍が自由を手に入れイギリス軍に勝つんだけど、そのアメリカ国民が「もう誰にも頭を下げることもなく、人間をイヌのように扱う奴はいない素晴らしいところだ」と言う一方で「ここは白人の国だ、インディアンは去れ、黒人もだ」と言う輩もいるのは色々な問題を抱えたアメリカならではの何とも言えない皮肉だね。


因みにこの映画に出てきたイロコイ族、床が動くPVが有名なアーティスト「ジャミロクワイ」の語源になってるという話を聞いた事がある。ジャム(セッション)とイロコイ族を合わせて「ジャミロクワイ」ってね。