ショーンコネリー追悼から始めた007マラソンもこれを含めてもう4作品。
いきなりドギツい人殺しのシーンから始まるので何だ何だと思ったが、複雑で裏切りやどんでん返しの連続、ストーリーも一言で説明するには複雑で深く作り込まれたエンターテイメント作品。
プラハ、ウガンダ、マダガスカル、バハマ、マイアミ、そしてカジノの舞台となるモンテネグロの古い街並みなど日本人にはあり馴染みのないところを見せてくれるのはこれまでと同じ一方で、オープニングでセクシーな女性が強調されなかつたり、Qやマネーペニーが出演していなかつたり、ダニエルクレイグへの交代を機に、生い立ちから007への昇格までを描いたり登場人物に語らせる。
当時を振り返ると、2001同時多発テロ、2003 イラク戦争、2005ロンドン同時爆破事件、そしてこの映画なので複雑化して油断ならぬ米英から見た国際社会を背景にクレイグボンドによりユーモア、セクシーさ、突飛さが薄められ、シリアスさが増す。
また、悪党から預かった汚れた金に自分の命を賭ける悪党と国家予算を賭けるボンドによるポーカーを通じての駆け引き、心理分析をボンドが披露するなど別のボンド像を示すものの、崩れ去る古い建物から脱出したり、空港や工事現場で派手に重機で暴れたり、アクションもかえつて増幅したように感じる。これまでの007で様々なアクションを見せているので、よくあのようなアクションを新たに思いつくものだと感心。