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アワーミュージックのtntnのレビュー・感想・評価

アワーミュージック(2004年製作の映画)
3.7
『映画史』を経由したからこその、地獄篇の悲惨なモンタージュの数々。
煉獄篇で、今までのゴダール映画と確かに共鳴する問いの数々。「この状況で映画を撮っていいのか」という問いから誰も逃れることができなくなった状況と、「でもカメラを向けること・目を逸らさぬことにも意味があるはず」と答えるかのようなインサート。
オルガと同じような体験をしたのであろう天国篇にいた人々の過去に思いを馳せる。
難解かもしれないが、間違いなくゴダールは映像で何をすべきなのかを真剣に問うていたのだと思うし、何度も見返して向き合うべき作品な気もする。
彼が人生の最後に下した決断についても。
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