アワーミュージックを配信している動画配信サービス

『アワーミュージック』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

アワーミュージック
動画配信は2024年5月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

アワーミュージックが配信されているサービス一覧

アワーミュージックが配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
クランクイン!ビデオ
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
スターチャンネルEX
みるアジア
WOWOWオンデマンド

『アワーミュージック』に投稿された感想・評価

開明獣

開明獣の感想・評価

5.0
これは一体、なんなのだろうか?自分はゴダールを見誤っていたのかもしれない。兎に角、凄いものを観せられてしまった。映画の真髄を別次元から力づくで叩きつけられたような作品。

この作品を観ることになったきっかけは、最近、ダンテ・アリギエーリの「神曲」を読み返しているから。いまだにかなりの数の小説や映画で引用される西欧屈指の古典は、大江健三郎が「懐かしい年の手紙」で引用したり、永井豪が漫画家したり、日本でも広く遍く読まれている。

平川祐弘という篤学な学者が訳した一冊に地獄編、煉獄編、天国編が全部入っていて、挿絵はあのギュスターヴ・ドレのものをテキストとして使っていて、河出文庫から出ている同氏の解説本と並行して読み進めている。流石に500年以上も前の、しかも異国の古典を何の知識もなく読めるほどの知識も教養もなく、故平川氏の業績には頭が下がるばかりだ。

時に自分自慢が鼻にはつくが、平川氏は日本人の視点で、イタリア本国の学者のように盲目にダンテ礼賛になることなくフェアな解釈をしているのが、ありがたい。かつ訳文も現代文で平易。かつての岩波文庫版は読解に難解を極め、集英社文庫版はまだ読みやすいとはいえ、文語体なので古めかしく感じてしまう。とはいえ挿絵がウィリアム・ブレイクなのは魅力的だが。

そのダンテの"神性喜劇"("神曲"の原題は、"Divine Comedy")のフレームワークを移築してゴダールは一つの映像作品にしている。戦争映画や戦争のシーンを次々と繋げた地獄編から、ゴダール自身がサラエボで講演をする煉獄編、そして亡くなった女子学生が死後の世界を訪れる天国編で構成されていて、ウィリアム・フォークナー、エマニュエル・レヴィナス、フョードル・ドストエフスキー、といった他無数の文人・哲人たちの言葉が引用され、これでもかと散りばめられる。

だが衒学的だからといって、一々それぞれの言説から紐解いていては、何処にも辿り着けない気がする。宗教的イデオロギーの対立を軸に、人間の行動は何も変わってないと説くゴダールに、初めてポール・ヴァレリーにも通ずる人文主義をみた気がする。一方で厭世観も並立して醸し出してして、一筋縄ではいかない。

王道の反戦映画、と言ったら、ゴダールマニアは厭うかもしれないが、その表現の仕方は他の映像作家とは一線を画するものであることは間違いあるまい。折に触れて見返したくなる作品だった。

シベリウスの交響曲2番が美しい。
「アワーミュージック」

「ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争」の予習として鑑賞。21世紀の作品だが、21世紀の様な雰囲気がしない、ゴダール全盛期の60年代と80年代を掛け合わせた様なテイスト。

戦争という暴力のシーンを他作品から引用し、繋ぎ合わせた「地獄」ゴダール自身の映画論や戦争に対する考え方が反映されているだろう「煉獄」そして美しく、争いのない世界である「天国」の3つから構成される物語。

いつの時代もゴダールはゴダール。全然理解できない。でもゴダール全盛期の頃の映画と比べると、ゴダールも歳を取ったことが顕著にわかる映画だった。昔の荒削りな感じは薄れ、少し落ち着いた大人の雰囲気。

異民族による争いや戦争を昔とは違う角度で批判している。また、この辺りから「死」を悟っていたのではないかという様なシーンもある。この時既に70を超えていたと思うが、やはり意識はしていたのだろうか。

話題の新作「ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争」も同日鑑賞したが、あっちもあっちで意味のわからない作品だった。本作からかなり引用されていたので、鑑賞にあたって「アワーミュージック」の鑑賞はマストだと思う。
戦争と死をテーマに「地獄」「煉獄」「天国」の3つのパートで構成されたゴダールによる平和への祈り。

第1部「地獄」
戦争映像のモンタージュが10分間流れる。異なる時代の様々な戦争がドキュメンタリー風に流れ、映し出される人間の野蛮で愚かな行為を女性ナレーターは嘆く。

「死とは有りうる事が起こらないのではなく、有り得ない事が起こることなのだ」

のっけから強烈だ。次々と切り替わっていく映像をただただ見つめていると第1部が終わった。

第2部「煉獄」
戦争の弾痕が残るサラエヴォを舞台に、イベントに招かれた映画監督ゴダールと、その講義を聞きに来た女子学生オルガの物語。

様々な国籍を持つ人物たちが登場し、ジャーナリスト、作家、詩人が文学的な台詞を滔々と語り、眠りを誘う。

正直退屈だった。これは映画なのか?という疑問符を頭に浮かべていたが、ゴダール本人が大学で講義をする場面でその疑問は消えた。

「カットの切り返しは映画の基本だ」

ゴダールは2枚の写真を手に、イスラエルとパレスチナの対立をカットの切り返しで見せる。

イメージの切り返し、カットの切り返し、それがゴダールの映画なのかと、ほんの少しだけ解ったような気になれた。

講義を真剣に聞き、自作の映像作品をゴダールに渡そうとした女子学生オルガは自爆テロと間違えられ、その知らせがゴダールに届く。

生と死について深く考えていたオルガは、テロと間違えられるような行動を敢えてしたのかもしれない。しかし、そこで物語が終わってしまったら救いがない。

ゴダールはオルガのために第3部の「天国」を用意した。このラストが無かったら評価が低かった。

美しい緑に包まれた森と小川のせせらぎ。金網の向こうはきっと悲しみも憎しみもない天国。通行証のスタンプを押してもらい、明るい日差しを浴びる彼女の姿に、ゴダールの愛と優しさを感じた。

『アワーミュージック』に似ている作品

メイド・イン・USA

製作国:

上映時間:

85分

ジャンル:

3.4

あらすじ

元恋人の男から電報を受け取り、ポーラ・ネルソンはアメリカのアトランティック・シティにやってきた。だがすでに彼は心臓麻痺で死んでいることを知る。その死に納得がいかず、真相を知ろうと動き出すポ…

>>続きを読む