うにたべたい

仮面ライダーV3対デストロン怪人のうにたべたいのレビュー・感想・評価

3.8
劇場版仮面ライダーV3の二作目。
前作はテレビ本編の第2話を劇場で上映した作品でしたが、本作は劇場用に作成されたオリジナル作品です。

世界的な発見をした博士が、その発見を悪事に使おうと画策する悪の組織に攫われ、それを助けるために仮面ライダーが潜入する。
博士は救い出されるが発見のキーとなるアイテムを巡った攻防があり、ライダーキックで敵を粉砕してジ・エンドという、ある意味、仮面ライダーのテンプレのような展開です。
今回は超放射能を持つ元素を含む鉱石を発見した原子物理学者が登場し、その鉱石が四国山中にあるため、基本的に四国が戦いの舞台となります。
四国の観光名所とタイアップしていたようで、作中では高知行のフェーリー"さんふらわあ"や松山にあったホテル奥道後、錦晴殿などが登場し、立花藤兵衛や珠純子らが見物して回る様子が映されます。
舞台が四国なので四国の観光名所が登場するのは自然の成り行きとして特に違和感なく見ていたのですが、鉱山の地図を何故か高知城に隠していたのにはさすがに強引さを感じました。
「よし!地図を高知城に隠したことにしよう!」と思いついたスタッフのドヤ顔が目に浮かびます。

本作は劇場版ということもあってか、色々スペシャルなところがあります。
その大きな点が1号ライダー、2号ライダーの登場ですね。
第2話でカメバズーカと爆散したはずの2人のライダーが劇場版では再登場し、V3と力を合わせて怪人軍団と戦います。
本郷猛と一文字隼人が登場しないのは残念ですが、3人のライダーの共闘は少年心くすぐられますね。
また、仮面ライダーの劇場版でもあった、再生した大勢の怪人が崖の上に現れて名乗りを上げるシーンが本作も登場します。
そしてお約束通り怪人の特殊技は駆使せず、戦闘員と同じ感じでライダーたちに襲いかかり、殴り飛ばされていくのが悲しさを感じました。

また、V3といえばやりすぎなくらいの火薬の量です。
本作では"タイホウバッファロー"という大砲を両肩に備えたバッファロー型怪人が登場するのですが、劇場版で嬉しくなっちゃったのか、大砲をぶっ放しまくり、その度に地形が変わるほどの大爆発が発生します。
特に怪人と乱闘中のライダーに向けてぶっ放すシーンが激しくて、爆発シーンを後で撮ったとかではなく、戦っている怪人とライダーのすぐ近くで大爆発が起こっているのが見てわかるので驚きました。
実際本作撮影時は苦情が入って騒ぎになったらしく、それもうなずける大爆発です。
キックで怪人が倒れたときも見ていておかしいと思うくらいの爆発っぷりで、迫力は感じましたが、正直、そんな爆発する必要は果たしてあるのかと思いました。
究極超人あ~るだったか、爆発する物は男のロマンだという名言がありましたね。

V3役の宮内洋氏の体当たりのアクションシーンも見ものです。
ストーリーの骨組みはシンプルですが、見どころが多く、昭和特撮映画の名作と言える一本です。