ポルりん

タッチのポルりんのレビュー・感想・評価

タッチ(2005年製作の映画)
1.5
金儲けしか考えていなく、製作陣のやる気が微塵も感じられない私の一番嫌いなタイプの映画だ。

恐らく「世界の中心で、愛をさけぶ」で知名度を上げた長澤まさみを使った映画を作ろうから始まったのだろう…。
ただそれの1点のみを追及した映画なのでもう全てがどうしようもない作品になっている。

まず、キャストの選出からいって適当に決めたのがすぐに分かる。
斉藤兄弟は知名度のあるイケメンの双子のみで選ばれたのだろう…。
他は年齢とかは関係なくそれっぽい人を何となく選んだのではないだろうか…。
だから、野球部員(黒木)にどう考えても30~40代にしか思えないオッサンが混じるとか全く体型の違う孝太郎というキャストミスをしても気にしないんじゃないか…。

そういや、ドラマ版H2もそうだったっけ…。

そして、達也と和也の差別化が全くされていないのもどうかと思う。

普通は髪型や服装などでどちらかを特定しやすくしているのだが、同じ様な髪型や服装をしているので非常に分かりにくい。
更には少し似たような性格を表す描写も多い為にどちらが達也なのか和也なのかが分からなくなってくる。

髪型等で簡単に差別化出来ると思うのでやる気がないにしてもそのくらいやって欲しかった。

また、脚本もかなり適当だ。
原作で有名なエピソードをただ組み合わせているにすぎない。
だから本作のみを観賞すると人間関係などで疑問に思う事がいくつも出てくる。

更に、達也が野球を真剣にやる気になってから予選を飛ばして決勝戦に移るという信じられない暴挙をおかしている。
いくら時間がないとはいえ、いきなり決勝戦に行くってどうなんだろう…。

苦悩を乗り越えた上で練習をし、予選を勝ち上がっている喜びを描くからこそ、決勝戦に緊張感が生まれるし、勝った時にカタルシスが生まれるのではないだろうか…。
あんな訳の分からない場面で「タッチ」を流すのならば練習の場面と予選をダイジェストで描きながら「タッチ」を流した方が全然いいと思うのだが…。

他にも言いたい事は山ほどあるが、とにかく製作陣に原作愛の欠片もなく、腐臭をはなつ腐りきった考えの元で作られた作品であると感じずにはいられなかった。

ただ、演技力は置いてキャストが頑張って演じていたのは感じとる事が出来た。
これでキャストのやる気もないのが「デビルマン」なのだが…。

本作は原作ファンなら憤怒するだろうし、原作未読なら意味不明だろう。
長澤まさみのファンで長澤まさみを観れれば他はどうでもいいという人にのみオススメ出来る。
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