垂直落下式サミング

トラック野郎 望郷一番星の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

トラック野郎 望郷一番星(1976年製作の映画)
4.0
トラック野郎も第3作品目。
かなり気合が入っていて、当世の人気者が総出演している。元祖アイドルホースのハイセイコーも特別出演。一昨年ウマ娘にハマったひともみるべき。
見どころは、北海道の牧場ならではの馬の出産シーン。子馬が立ち上がるシーンに神聖を感じる。これはエピソード中盤のドラマですが、終盤でトラック野郎の団結と協力が熱く描かれていて、桃次郎渾身の激走と相成るわけでございます。
ジョナサン、松下家、マドンナ、ライバル、お馴染みの顔ぶれに特別ゲストを招き型通りに進行するワンパターンな展開も、徐々に品性がなくなってきたギャグも、後に観客が求める以上に過剰なモノを提供してくれる超娯楽シリーズへと進化していくことを思えば、このくらいが調度よかったりする。
マドンナは島田陽子さん。正統派美女。大自然を背に、こちらに向かって微笑み返してくれる溌剌としたサービス精神が弾けていて、若くて快活でかわいらしい。
東映の名優・梅宮辰夫とは、さすがの阿吽の呼吸のチンピラ演技合戦をしていて、仲よく冷蔵庫のなかで凍るのがほほえましい。役名はカムチャッカ!バカのネーミング!キリンの夢をみているか!わしらトラック乗りが朝をリレーするぜぃ!
桃次郎が松下家の子供たちをトルコ風呂に連れていくシーンでは、何歳までのちんこなら撮していのか、また女の子は何歳からタオルで身体を隠すのか、これはチャイルドポルノか否か、そういう現代日本のコンプライアンスにおけるギリギリアウトラインを攻めている。そもそも、子供を風俗店に連れていくという時点でどうかしてる倫理観なわけだが…。
松下ファミリー全員がミッキーマウスTシャツを着て横一列に並ぶ著作権法への挑戦もヤバイ。おおらかな時代ということか。