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さまざまの夜の一のレビュー・感想・評価

さまざまの夜(1964年製作の映画)
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ウブな北林早苗が男と女の酸いを知るビターな成長譚で案外良かった。父親の山形勲が入れあげるバーのホステスに『太陽を抱く女』でも好演していた三ツ矢歌子が。レゴブロックで二人の理想の新居を組み上げて「ここがおかって ここが風呂」とニッコリ勲。そして人生に見切りをつけたかんじで我慢をし通す本妻・沢村貞子。南田洋子と作家くずれのヒモ山内明夫婦の挿話も味わい深い。男と会うときは常にマムシ酒持参のセックスモンスター富永美沙子に笑う。

2021/7/7
酒井欣也『渚を駆ける女』
若松孝二のピンク映画にも出演していたという路加奈子が主演。始まって早々、婚約者・吉田輝雄と母・高峰三枝子の情事を目撃でクライマックス。戦死した夫に操を立て続けてきた母の久しぶりの本気の恋を応援!なモードに切り替えた路だったが、「本当に好きなのは君」とわがままチンコな輝雄に襲われてしまう。三枝子、あまりに不憫。輝雄、ヒドいことしかしてないのに最後まで二枚目ヅラ。セックスにまみれたこんなストーリーを荘厳に彩る音楽は伊福部昭である。なんで。
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