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スケアクロウのlalalalabombaのレビュー・感想・評価

スケアクロウ(1973年製作の映画)
4.6
半世紀以上前のアメリカンニューシネマ。ハックマンが40ちょいパチーノ30ちょいの脂が乗っていた頃の作品。
当時名画座で何度も観た記憶がある。演出は殆ど役者の自由という感じで,冒頭からアドリブでシーンを積み重ねていく。
あの頃は俳優の自由に任せた自然な演出が流行っていた。

刑務所から出たばかりのマックスは道でフランシスと出会う。
フランシスはおどけて気を引く仕草ばかりの道化者。最後のマッチをマックスの葉巻の為に使ったフランシスを商売の相棒にする。
そこから彼らの旅が始まる。
これはロードムービーで男同士のラブストーリーでもある。
当時はそんな映画が流行っていた。
ほぼアルパチーノの演技をベースにハックマンがそれを受とめるという段取りで、ほぼストーリーはない。
旅をしながら仕事をして喧嘩をしては刑務所に入り酒を飲んで騒ぎ、
喜び悲しむ。
「傷だらけの天使」や「イージーライダー」「真夜中のカーボーイ」などとかなり似ている。酒場で飲んでみんなで外まで行進するシーンなどではフェリーニを思い出した。
撮影後、パチーノがパックマンの演技を批判する記事を読んだ記憶がある。
が、ともに名演と言える。
全体に漂う空気感がとても良い。
この空気感だけでいい映画だと断言できる。
今どきこういう映画はもうできないのかもしれない。
この映画の魅力を感じられない人は一生映画見なくてもいい人だと言ったらいい過ぎだろうか。
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