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恋は負けないのdubstronicaのレビュー・感想・評価

恋は負けない(2000年製作の映画)
3.7
『初体験/リッジモンド・ハイ』『クルーレス』のエイミー・ヘッカリング監督、今作も抜群のクオリティ健在!!!
学園映画のクラシック入りすべき傑作。

主人公2人は全く知らない俳優で、むしろ脇役の方が顔なじみがあるようなキャスティングなのに完璧。

田舎モノでピュアすぎる主人公ポールはNYの大学寮で相部屋の3バカトリオにバカにされいじめられて寮を追い出されたり、騙されて借りてる部屋(動物病院の一室)をパーティー会場にされたりと踏んだり蹴ったり。大学で唯一良くしてくれて一目惚れしたの女の子ドーラは教授と出来ててとスタートは散々たるもの。

ドーラはドーラで、遠方の自宅から通学しているものの、学費を稼ぐためのバイトも遠方からの通学でバイトの時間をほとんど取れず、これまたピュアな性格のためバイト先のバーではずる賢く振舞えずクビになってしまう。彼氏の教授もこれまた自分勝手でズルいやつで良いように扱われてるけれど惚れた弱みでなにも言えない。

前半でしっかりとこの2人のパーソナリティーを見せて、中盤から一気に距離を縮めるものの、ポールの気持ちは教授のゾッコンのドーラには届かず2人はすれ違いを続け、ラストではムダに長い時間を使わずコンパクトかつリズミカルなドミノ崩しのようにいろんな障害が取り除かれハッピーエンド!

3バカトリオと教授の描き方も見事にムカつくし、そのキャスティングもバッチリ。観ていてドリフのように「ポール、信用しちゃダメだよ!!」って画面に突っ込みたくなること必須。

最悪な奴らに振り回されても、「キライな人?とくにいないなぁ」と言えちゃうくらい天然的に良いヤツなポールの天使っぷりと、少しスレてて大人と子供の間に挟まったようなドーラのムードも派手じゃなくスライドしていって、下手な展開なのに2人の中はベタベタしてないバランスも見事だし、全体的に緩急のつけかた、チカラの抜けかたが達人クラス。

アメグラ・エンディングでの3バカトリオの行く末は最後に胸がすく内容で良かったよ、ホントに!

ストーリーは『アパートの鍵貸します』がベースになってるらしく、未鑑賞なのでちょっとチェックしないといけないし、主人公の2人、『アメリカン・パイ』の人らしいんだけど、『アメリカン・パイ』うとうとしながら観ててすっかり忘れてしまってるのでもう一度観ないと…!
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