志麻凛

黒い賭博師の志麻凛のレビュー・感想・評価

黒い賭博師(1965年製作の映画)
3.8
小林旭さんの演技がとても光っていました。“目力”を上手い具合に活用している。賭博をしている時もだけど、それ以外の所での演出が良かった。今作で初めての小林旭作なのですが、とても心が惹かれました。1965年の作品、今の日本の俳優には、こういった演出を施してる人があまり見られない。志尊淳さんとか松坂桃李さん辺りは施しているけど、ほんの一部。感動して“うるっと”してるのではない、という巧みな技術、凄い演技死です。まだ小林旭さんの作品は、あるので楽しみたいと思います

内容について触れると、“賭博”という物にヒューマンストーリーがあり、それが視聴者へ率直に伝えようとしている。1番心に残ってるのが、玲子という女性が賭け道具として使われて、その賭け主が負けて相手方に回った時の事を語った台詞“ポーカーチップは泣かないでしょ” この一言がとても心に来て、動物はまだしも玩具やぬいぐるみ、普段使ってる文房具など、生命が宿ってない物は感情を持たない、そして玲子は“ポーカーチップ”として出させれているということは『道具』ということ、その皮肉さを語ってるところが良かったです

今作はシリーズで6作目らしいので、他のシリーズも見てみたいです
志麻凛

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