【後半が錯綜しているが】
韓国の巨匠キム・ギドク作。
なぜか恋人に飽きられたと信じ込んだヒロインは、整形手術を受けて別の顔の主に生まれ変わる。やがて彼女はかつての恋人に再接近、首尾良く仲良くなるのだが、彼女がかつての恋人だと知った彼は、今度は自分が整形手術を受け・・・。
前半は、まあ面白いけれどギドクにしては通俗的な筋書きだなと思っていたが、後半の展開がかなり迷路がかっていて、そこで本領発揮といったところか。
何となく安部公房の『他人の顔』を思い出した (小説の方。 映画化もされているが私は未見)。
なお、キム・ギドクはこの作品を最後にもう韓国では映画製作はしないと宣言している由。どうなるのだろうか・・・
(以上は16年前のレビューです。その後、キム・ギドクはセクハラなどで犯罪者扱いされていますが、映画の才能はそれとは別個に考えるべきだというのが私の見解です。ただ、ギドク作品は出来不出来の差が大きいので、その辺はしっかりと見極める必要があるでしょう。)