ハレンチ学園在学生

雪の喪章のハレンチ学園在学生のレビュー・感想・評価

雪の喪章(1967年製作の映画)
3.6
20年ほど前にラピュタ阿佐ヶ谷で見たときは何というダメ男(福田豊土デンターライオンのCMしか記憶にない。日本画家福田豊四郎の長男だったとは知らなかった)映画と思ったものだが、見直してみてなかなか味わい深い作品だった。若尾文子の印象に残るシーンが二つある。福田と女中の中村玉緒との間に生まれた赤子が屋根に積もった雪が崩れて死んでしまったときにざまあみろと言わんばかりにニヤリとする顔。福田の金箔屋が火事で燃えて火に金箔が舞い上がる情景に「きれい」と微笑む顔。雪が降る日には狭山(福田の家)のものが死ぬ。ゆえに雪の喪章。雪のように白く冷たい若尾文子が魅力的に映る。さすがは名匠三隅研次といったところか。