アベラヒデノブ0阿部羅秀伸

少年と自転車のアベラヒデノブ0阿部羅秀伸のネタバレレビュー・内容・結末

少年と自転車(2011年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

『ロゼッタ』と同じ監督らしく主人公はひどく渇望している。
強いエネルギーを持って彼は不器用に孤独を叫ぶ。
愛を求めて必死に手を伸ばす。
父に捨てられた彼は自分の無価値さに苛まれる。僕は役に立たない人間なんだと思い込む。
彼はそんな感情に抗うように自分の価値を信じてくれる人々に必死にすがりつく。
褒めてもらいたくてすがりつく。
まだ子供だ。彼は大人に騙されてあろうことか犯罪に手を染める。その罪の重さなんて考えない。
彼はまだ子供だ。だからこそ制裁を受けて彼は大人になる筈だ。
彼はもう居場所を見つけた。そのためなら彼は挨拶をするしお礼も伝えるしワガママも言わない。
自転車を漕いで彼は、愛の家へと帰っていく。
自分の居場所はどこか?
自分の価値はいくらか?
決して裏切らない愛の人はいるか?
どうすれば愛されるか?