Rui

少年と自転車のRuiのレビュー・感想・評価

少年と自転車(2011年製作の映画)
3.5
実の父親から拒絶されて身寄りのない少年シリルは、偶然出会った女性サマンサの元に駆け込む。サマンサはシリルを気にかけ、パートナーがいたにも関わらず彼に向かって「おなたよりシリルを選ぶ」と言うほど母性を表す…。などなど、他人だった二人の交流を、孤独な少年の目線から描いた物語。しかし少年が生意気。ずっと拗ねていて憎たらしい。自分が暴行叩いた彼らにはちゃんと謝れよ。いや、君の不運な境遇は分かる。一番悪いのは「子供がいると就職に難がある」とかぼやいて育児放棄した父親。だったら生むなよと。責任感もクソもない最低野郎は断然コイツ。だが、一旦謝る機会があった時、被害に遭った息子の方は許せないということでその場に来なかったから父親だけに謝罪して、その後息子にも会って謝るかと思いきや「嫌だ」と言い捨てて逃げ出すとかそれはないわ。論外の生意気言動が目に余る。誠実さの欠片もない。

到底子供一人には受け止めきれない悲しみを押し付けられ、何を思うかは深くまでは読み取りきれないが、それを追い払うように自転車でどこまでも走っていってしまうような生命力に溢れた危なっかしい未成熟な様子を見るのがこの映画の唯一の面白みかと。
Rui

Rui