マーくんパパ

少年と自転車のマーくんパパのレビュー・感想・評価

少年と自転車(2011年製作の映画)
3.7
父親に捨てられ施設に預けられた少年シリルはその現実を受け入れられず、父が勝手に処分した大事な自転車を見つけ出し、自転車を駆って父親の居所を見つけ出すが父は冷たく突き放される。憐れに思って週末里親になってくれたサマンサの愛情も受け入れられず、近所に住む不良の強盗を手伝うが顔を見られ悪事を押し付けられ不良は逃亡する。奪ったお金を父に渡して関心を買おうとするが父は又しても冷たく突き放す。やっと大変なことをしてしまったと悟った少年は里親に連れられ警察に行き怪我を負わせた被害者への賠償と示談をするが、その息子は許しておらずシリルを追い回し木の上に逃げたシリルに石をぶつけ落下したシリルは動かなくなる。死んだかもしれないと慌てた親子はシリルが勝手に落ちたと口裏合わせ救急車を呼ぶが気を失っていただけのシリルは立ち上がり何も言わずに去っていく…。親の愛情欲っして受け入れられない少年の繊細な孤独が周囲と不協和音生んでいく。取り戻した自転車だけが孤独を紛らわす相手となる構図が切ないが、もっとウェットな展開になるかと思ったが不条理な世の中に気付き自ら一歩成長の階段を登るラストはより切ないハッピーエンドではないエンディング。