このレビューはネタバレを含みます
FRIDAYに乗り込んだ北野武そのままの狂気がここにあるように見えた。平泉成の役者的に磨かれた演技とは違った、素朴な中に鋭さや冷たさ、そして少しの温かさがある演技。その横顔を見ていると、青がよくに合うなぁという印象を受けた。目がきれいすぎて怖い。
腐敗した警察組織は、例え人が入れ替わっても本質は変わらない。また次の人間が後を引き継ぐ。
そんな中で、正義と暴力を貫く主人公の態度が光った。いい悪いでは語れない、かっこよさがあった。
妹を撃ち殺したのは、暴力からではなく、優しさからだったと思える。出来るなら更正してほしかった。
映像的には、
作品を通じて暴力描写が非常にリアルだった。さすがにビンタの連続は本当にやってるよな?というほほの変色ぶり。車内から実際の運転を撮影したシーンもスリリングだった。屋上シーンなどもしかり、チャレンジングな撮影が多かった印象。
一方で、パンしながらジブクレーンなどでグーッと持ち上げて、進んでいく車や人物をきれいな構図で撮り続ける長めのショットや、序盤で警察署に歩いて到着する際のなが回しのレールでのドリーなど、
映像的に丁寧で美しく、映画の基本的な質の高さも感じられた。