おおなり

その男、凶暴につきのおおなりのレビュー・感想・評価

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)
4.7
ラストシーン、言葉のない撃ち合い。親友の仇を取ることで目的を果たす。ヤク中になって目の前に現れた愛する妹と、自分に気づかずに死体のポケットをまさぐって薬を探す妹に驚きと寂しさを感じる表情をモンタージュで映した後に妹を撃ち殺し自らと決別する。その場所をあとにしようとしたところを他の人間によって頭を撃ち抜かれ、それまでの全てが清算され、また新しい物語が始まってゆくことが暗示される。冷淡かつ鮮やかな流れがとても秀逸。

それにしても、暴力に次ぐ暴力の連続で、警察とヤクザ、どちらもヤクザに思える。