Omizu

仮面の中のアリアのOmizuのレビュー・感想・評価

仮面の中のアリア(1988年製作の映画)
3.7
【第61回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート】
『カストラート』のジェラール・コルビオ監督の長編デビュー作。原題は単に『音楽の先生』でその通りオペラの先生の話。主演のホセ・ヴァン・ダムは1998年に国王から男爵位を授与されたほどのオペラ界の大スター。

冒頭いきなりホセ・ヴァン・ダム演じるジョアキムが引退宣言するシーンから始まり、ソフィーという若い女性を自宅の豪邸で教える。そこで偶然出会った美声の貧しい青年ジャンをスカウトし二人を教えることになる。そこである日かつてのジョアキムのライバルであった公爵が主催するコンクールからの招待状が届き、二人は参加することになる。しかしジャンと公爵の弟子が似た声であることに気付いた公爵は謀略を巡らせジャンを潰そうとする。しかしジャンは先手を打ちかつてジョアキムと公爵がやったように歌声での決闘をすることになる…

という話。とにかく音楽が素晴らしい。その後の監督のフィルモグラフィーをみても音楽が好きなのだろう、素晴らしい歌声を聞いてるだけで幸せ。

シンプルなストーリーながら美しい撮影と素晴らしい音楽に酔いしれる。

ただやはり長編デビューということで説明セリフが多く思わせぶりな部分も鼻につく。特に前半はかなり退屈。ただ尻上がり的に面白くなっていき、クライマックスの歌声決闘に繋げる作劇は見事。

これ以上長かったら低評価だったかもしれない。終わり方もさっぱりしててよい。
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