叡福寺清子

大魔神逆襲の叡福寺清子のレビュー・感想・評価

大魔神逆襲(1966年製作の映画)
3.8
この時代の邦画には珍しく,スタッフロールがエンドロールになってる本作.で,ぼーっと眺めてたら「北林谷栄」の文字!!子供らが魔神の山に入山しようとするのを止める婆さん.当時55歳. 55歳で婆さん?となりますが,そもそもこの方は,Wikiさんによると30代から老け役だったそうです.

前作に続いて,タイトルがよくわかりません.そもそも何をもって逆襲なのか,イマイチ理解できません.天候すらも操作するほどのお力の魔神様が,改まって逆襲する事案なんてないでしょうに.

で,本作.良い侍VS悪い侍の構図だった前二作と異なり,樵をはじめとした市井の人々を虐げる悪い侍,なんなら村民の訴えを無視した自領のお侍も罰を与えられます.目線はあくまでそこいらの人々.なので,巫女や精神的支柱となる存在は登場しません.では誰が魔神様に祈るのか.親や友人を助けてくれるならと,生命を捧げた無垢なる少年でした.その少年たちは父親や親族の為に,禁忌の地である魔神の山を越え地獄谷を目指します.そう,本作はロードムービーの側面もございまして,その過程で仲間を喪うという塩っぱい経験もいたします.というか,大映さんも子供ぬっ殺す脚本をよく採用したもんです.エラいぞ!大映.
エラいといえば,魔神様の中の人.吹雪の中,まばたきすることなく雄々しく立つ魔神様.凄いぞ,橋本力.