このレビューはネタバレを含みます
初チャップリン。ふざけ倒しのドタバタ展開の中にも、道化師の孤独や哀愁が滲み出ている。「人間失格」じゃないけど、普段おどけてる人に限って心に空洞があったりするんだよな。あのフォークでパンを刺してダンスする所もこんなに寂しいシーンだとは思わなかった。
それでもストーリーに関してはチャップリンの人生哲学の通り「クローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇」になっているのがせめてもの救いかな。
人生は不条理だが、それ故に希望を捨てなければラストシーンに何が待っているかは分からない。バットを振る気持ちさえあれば、練習してなくても優勝決定逆転サヨナラ満塁ホームランを打てる可能性もゼロではないのだ。(なんなら思い切り三振をしても別にいいし。)だからせめて靴を煮込んで食べるくらいまでは耐えて頑張ろうぜ、ということではなかろうか。知らんけど。